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中々上達しないスペイン語

バルセロナは感染者数増加のため、”外出自粛要請”がでました。

前回の記事では”バルセロナ市民は夏を満喫中”と書きましたが、早くも感染者数の増加によりバルセロナでは外出自粛要請が出ています。

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つかの間の自由

厳しいロックダウンを経て、6月下旬から”新たな日常”に戻ったバルセロナ

バルセロナマドリードといった大都市は、規制が解除されるのが一番最後だったのでこの解除を受けてスペインは国内の往来が自由になりました。

マスクの着用義務とソーシャルディスタンスの保持

この2つを守ればスペイン国内を自由に旅行をすることも可能となりました。

 前回の記事のように、バルセロナは徐々に活気が戻り始めクラブなどの社交場も再開されました。週末になると近所から夜遅くまで爆音の音楽が聞こえてきたので、自宅でパーティーをする人もいました。

スペインでは多くの人が外出できる自由を楽しんでいたと思います。

私も7月から実家のあるバスク州に帰ることになっていたシェアメイトから「遊びにおいで。」と誘いを受けて、7月12~17日にかけて遊びに行っていました。

電車で行きたかったのですが、希望の時間帯は売り切れ。仕方なく長距離バスを使用したのですが、バルセロナからサンセバスチャンまでの行きのバスは満員でした。

バスク州を満喫しバルセロナに戻った次の日の7月18日、新規感染者数の増加をうけてカタルーニャ州から”外出自粛要請”が出されました。

 

感染者数の動向

実は6月21日に新たな日常に移行してからも、スペインの各地で大小のクラスターは発生していました。その度にクラスターが発生した一部地域(州や県の一部に限定して)の都市封鎖をして人の往来をなくし感染の拡大を防ごうと対策を講じていました。

しかし対策も空しく徐々に患者数・地域ともに徐々に広がっていってしまいます。

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PCR検査陽性数/日

出典:Casos confirmados de coronavirus en España y en el mundo | Sociedad | EL PAÍS

上のグラフは6月23日からのPCR検査で陽性となった新規感染者数を日別で表しています。

スペイン国内での新規感染数が1日に200人以下となったため”新たな日常”へと移行したのですが、ロックダウン解除から2週間過ぎたころから感染者が増えはじめ、青い星印のある7月16人に感染者が急増し1000人に手が届くところまで来てしまいました。

 

外出自粛要請って意味ある?

罰則付きの厳しいロックダウンの最中ですら、外出による罰金・逮捕をされた人、他人の犬を借りで散歩に出かける人(犬の散歩による外出は許可されていたため、犬のレンタルがあった。)がいたスペインで外出の”自粛要請”をしたところで意味があるのでしょうか?

答えはNOでしょう。

今回の外出自粛要請には罰則はありません。いわゆる不要不急の外出と10人以上の集会の禁止、飲食店は定員の50%以下にするように要請が出ています。

私は最近中心部に行っていないので家の近所の様子しか分かりませんが、人通りは変わらありません。自粛している人は少ないのではないかなと思います。

カフェやバルではテラス席(テラスというかお店の前の道にテーブルが置いてある。)でコーヒーを飲みながら新聞を読んだり、ビールを飲んでいる人をよく見かけます。席の間隔は50㎝くらいしか離れていない所も多いのでが、隣の席の人を気にしている様子もありません。

「外出自粛要請は無意味。」

である理由は、2つの意味があります。

1つ目は…外出自粛要請などの中途半端な対策では感染を抑え込むことが出来ない。という意味。

2つ目は…外出自粛要請を出したところで誰も従わない。という意味。

日本は前者で、スペインでは後者です。

 

勝手にGo to travel

スペイン経済は観光業の占める割合が高く、観光業の復興は最重要課題といっても過言ではありません。経済回復と感染拡大予防はとてもセンシティブな問題です。

日本ではGO TO キャンペーンに対して様々な意見が飛び交っていると思います。

スペインはと言うと…、少なくとも旅行をしたところで後ろ指さされるような風潮はありません。

バルセロナを含むいくつかの地域では州政府により外出自粛要請が出ています。しかし観光客の受け入れは続いており、美術館等の観光施設も開業しています。

私も新規感染者が増える前の7月12~17日にかけてバスク州へ旅行に行きましたが、自粛ムードは全く感じませんでした。

ビルバオにあるグッゲンハイム美術館に行った時は開園前に行列が出来ていたし、ビーチは夏の湘南の海と同じくらいの人がいました。

ちなみに、旅行中アジア人差別はなかったです。

バルセロナと違ってアジア人は少ないので道を歩いているときに視線を感じることはありますが、悪意のある行動や言葉をかけられるようなことはありませんでした。

道に迷ったり、バスや電車に乗る時に質問しても親切に教えてくれて、正直に言って日本人の方がよっぽど日本語の得意ではない外国人に不親切だよな…と思うくらいでした。

色んな考えをもった人がいるわけなので差別が全くないということはないでしょうが、過度な心配は不要だと私は思います。

スペイン人の多くが「コロナの為に今年のバケーションは旅行が難しい。」と言いますが、それは長期間海外に行くことを前提としているのではないかと思います。

日本の夏休みは1週間程度ですが、スペインでは1ヵ月以上のバケーションを取ることは普通です。私はシェアメイトがロックダウンの最中でもバケーションの心配をしていたことがとても不思議でしたが、スペイン人にとってはバケーションは夏の生活の一部なのではないかなと思うようになりました。

だから仕事のない1ヵ月の間にビーチや山、地方から都市部に数日行く事はただのお出かけであって、彼らにとっては旅行とは言えないのかもしれません。

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スペインでは今年は海外に行かず国内旅行をする人が増えているそうですが、スペイン観光産業にとっては焼け石に水でしかありません。観光業を支えているのは外国人観光客であって、特にバルセロナは人口の倍以上の外国人観光客が訪れ、近年は観光客数の削減に動き出したほどでした。

私がスペイン人だったら自分の国の未来が不安でたまりませんが、スペイン人たちからあまり悲壮感を感じないのはラテン気質によるものなのでしょうか。